株式会社帝国ホテル
外販事業部管理課マネージャー
2002年 現代文化学部言語文化学科卒
私が初めて「東京女子大学」という学校を知ったのは高校二年生の時でした。地方の伝統ある女子校で、長らく地元にいらっしゃるご年配の先生が多かった学校に、東京から若く美しい女性の先生が赴任されてきました。
やわらかな雰囲気の明子先生は優しいお姉さんのようで、授業以外の時間にも様々なお話をしてくださったのですが、その中で一番心に残ったのが先生の母校「東京女子大学」のお話でした。
現代文の授業担当の明子先生は、「目をつぶって!」と情景を思い浮かべさせる授業をいつもされていたのですが、ご自身が何かを思い出されながらお話される時も同じで夢見る少女のように目をつぶって、その向こうの光景に思いを馳せながらお話しされていました。
ある時先生は、やはり目をつぶって、ご自身の出身校である東京女子大学の話をして下さいました。
「学内はね、考え事をするのにちょうどいい小道がたくさんあるの。それから、校舎の窓枠が緑色なところが素敵なの。どうしてかわかる?窓越しに見える緑の庭の風景の邪魔にならないのよ。」
その後、自分の進路を考えるようになり、学びたいことを考えていくうちに、「言語学」というものを知り、東京女子大学の「現代文化学部言語文化学科」にたどり着きました。
大学入学後、一年生の頃は新しい環境に心が浮ついており、あまり勉強に身が入っておりませんでした。転機になったのは二年次ゼミの選択の時です。このままではいけないと真剣に選びました。
その時に出会ったのが川崎先生です。
川崎先生は厳しい授業をされるという評判でしたので、甘い一年生生活を送っていた私が先生のゼミを志願したことは友人達も驚いたようでした。
それでも私は「統語論」と「川崎先生」に強く心惹かれその門を叩いたのです。
いざ、川崎ゼミ生としての生活が始まってみると、川崎先生はとても優しく、ユーモアと機知に富んだ魅力的な先生で、学ぶということが「楽しいもの」へと変わっていきました。
川崎ゼミのテーマは、言語学、統語論であるとともに、人間力、生き方、でした。物事の真髄の捉え方、真髄を捉えることの大切さを学んだことが、その後の私の生き方に大きく影響をしていると思っています。
今は母として社会人として毎日を忙しく過ごしていますが、折々に東京女子大学を懐古します。
芝生の上で寝転びながら議論したあの日々。目を閉じるといつでも戻れる第二の故郷。
これからもたくさんの女子学生たちの生き方に影響を与え続ける学びでの場であり続けて欲しいと切に願っております。