現代教養学部 心理・コミュニケーション学科
心理学専攻 准教授
臨床心理学、家族心理学

 

1999年
文理学部心理学科卒業

 

ありがたいことに2014年9月から本学で教えています。
文理学部心理学科を卒業後、東北大学で修士と博士の課程を修了し、京都教育大学で10年ほど教師や臨床心理士の卵を育てていたところ、こちらに戻ってまいりました。

専門は、臨床心理学・家族心理学で、特に家族に関心を持って、研究や臨床を行っています。家族というまとまりをつなげているのは、きずなでもありしがらみでもあるかもしれません

こうしたアンビバレントなつながりのなかで、家族は可笑しみや苦しみを日々経験しながら、それでもなおまとまっていようとするのはなぜなのでしょうか? そんな家族の不思議を理解・応援しようとしています。

 

本学で心理学の学びをスタートできたことは本当に幸運でした。ここでのすべてがいまのベースになっています

在学当時は、発達心理学の古澤頼雄先生、井上早苗先生、社会心理学の広瀬弘忠先生、安藤清志先生、当時非常勤講師でいらしていて現本学教授でいらっしゃる工藤恵理子先生、認知心理学の小嶋恵子先生、真覚健先生、今井久登先生、臨床心理学の無藤清子先生、前川あさ美先生はじめ、本当に贅沢な環境を与えていただきました。

学部4年間のうちに先生方から心理学を広く深くきっちり学ぶことができたということが、この間研究や臨床が専門的になっていけばいくほど、支えであり頼りになってきました。学部時代のノートは、いくたびかの引越しを経て、いま、研究室の書棚におさまっています。

なかでも卒業論文をグループで書くことができたということがとても大切な経験でした。これまでいろいろな共同研究の機会に恵まれてきているのは、初めて書いた論文である卒論での仲間との得難い取り組みの経験が、いまの研究のスタイルに大きく影響しているからなのだとおもいます。

 

うれしいことにいまもこの広く深く仲間と協働して心理学を学ぶという体制はほぼ変わっていないことを本学に戻ってきて知りました。時代の流れの中で、この伝統がしっかり守られていることは、大変貴重ですばらしいことだとかんじています。

いまそしてこれからの100年、本学で学ぶ後輩たちに、わたしが本学でいただいたものを伝えていきたいとおもっています。

 

付記:本稿は心理学科卒業生CLIPネットワーク会報誌の「研究室便り」を加筆・修正したものです。