あおしげ工房

2013年
現代教養学部人間科学科
コミュニケーション専攻卒業

 

創立100周年おめでとうございます。
『卒業生101のストーリー』HP制作、写真撮影を一部担当した重政です。

東京女子大学 小田研究室内の制作ユニット「あおしげ工房」として、写真撮影・動画編集や、ホームページ制作などの仕事をお受けしていますが、普段は作家を目指して小説を書いています。

 

入学のきっかけが「授業名が面白そう」という適当な理由だったので、3年次ゼミを選択する際に卒論課題が思いつきませんでした。仕方がないので、説明会で「なんでもやっていいよ」と言っていた小田浩一先生のゼミを選んだのですが、今振り返ってみればこの選択が私の転機だったと思います。

最初の課題は「自分の好きなものを発表すること」。同期たちは趣味の話や登山サークルの記録など、様々なプレゼンを用意してきました。本当になんでもやっていいのだと、ゼミの気風を初めて理解したのがこの時です。

 

卒業後は小説について勉強したいと思い、専門学校へ進学しました。当初は就職活動をしていたのですが、何度も繰り返される「あなたは何者か、何ができるのか」という問いに答えられず困っていました。

一方、就活中に書いていた小説はすぐに完成し、小田先生が「この話面白かったから頑張ってみれば」と進学を勧めてくれました。公募に出したところ最終選考の手前まで残ったこともあり、小説についてもう少し勉強してみようと勇気を出すことにしました。

この頃までは、周囲となるべく同じように生きていこうと努めていましたが、どうも自分には無理そうだし、そうする必要もないと気付きました

 

専門学校進学後も小田研究室に出入りしていたところ、当時学内に設置されていた女性研究者支援室で働くことになりました。中高生の頃、小説をネットで公開するためにhtmlを使っていた経験を何気なく話したら、ホームページの改装と運営を担当することになり、その後は五月雨式にポスター制作や写真撮影・動画編集の仕事が増えていきました。

写真と動画についても研究室で教わりました。この手の才能はないと思っていたので、まさか仕事になるとは思ってもみませんでした。しかし小説に限らず、そもそも何かを作ることが性に合っていたのでしょう。午前中は支援室で働いて、午後になったら専門学校へ行き、夜また研究室に戻って来る2年間は充実した日々でした。自分にできることが特に増えた時期です。

 

去年の春に『101のストーリー』制作のお話を頂いた後、1998年に発行された『東京女子大物語』を読みました。今は存在しない施設や牟礼キャンパスなど、もう撮ることのできない場所もありましたが、本館やチャペルなどはそのまま存在しています。

入れ替わり続ける学生・教職員の人生を1世紀近く見守ってきたのだと考えると、普段何気なく目にしている校舎の存在感に気付かされました。また、学内を散策してみて、知らない場所がまだ沢山あることにも驚いたので、初めて出会う景色をなるべく切り取ろうと1年間撮影を続けてきました。

古いものと新しいものが共存している姿が、今の東京女子大学の空気を作っていると私は思います。これからの100年も、そういう場所であって欲しいと願っています。