1975年 日本文学科卒業 
1979年 文学研究科日本文学専攻修了 

 

    大学2年の時に        

 

 3月9日、同窓会館の一室をお借りして講座「親子関係の視点で読む『源氏物語』」の4回目、「祖母の物語」を受講者の皆さんと学びました。自分自身が4人の孫のいる祖母になったので、物語を祖母の視点で読んでみたくなったからです。たくさんの気づきと学びがありました。部屋の窓から校庭を眺めながら、大学2年生の時に初めて丸山キヨ子先生から『源氏物語』を学んだこのキャンパスの片隅で、このような形で学ぶ機会を得られたことに深い感慨を覚えました。

 私は大学院修了後に東洋英和女学院中高部の国語科の専任教諭になり3年間勤めた後、退職して3人の子どもを産み育て、長女が小学校2年生の時に東洋英和の非常勤講師になり2007年に退職しました。その後は母校女子学院の講師になり、この3月に定年退職をします。そんな中、九年前から「平安装束を着て、スライドを使ってわかりやく内容を解説しながら原文を朗読する『しづの源氏語り』」という活動を始めました。6年前から毎年同窓会園遊会でも語らさせていただいています。

 大学2年は、私にとっては『源氏物語』以外にも大きな出会いのあった年でした。宗教部のキャンプのリクレーション係になったことがきっかけで当時の宗教主任の十時英二先生とお話する機会を得、牧師をなさっていらした千歳丘教会に導かれ、1年後に受洗したのです。今は役員、教会学校教師として奉仕させていただいています。女子学院では、1年に2回ほど高校の礼拝で奨励を担当した関係で、日本のキリスト教史、特に明治以降の日本のキリスト教の宣教やキリスト教主義の学校の歴史について学びました。東京女子大がどのような願いの許にどれほど多くの方々の尽力により設立されたのかということを実感として感じました。それだけに100周年の記念礼拝と記念行事に、同窓の90歳になる母と共に出席できた喜びは大きいものがありました。

 神様の名のもとに建てられたこの大学に学び、神様の導きによって歩み続けてこられたことに深く感謝します。後の続く後輩の方々の上に、大学の上に、神様の御守りと御祝福が豊かにありますようお祈りいたします。