東京女子大学同窓会 前会長
植草学園短期大学名誉教授


1966年
文理学部社会学科卒業

 

2018年6月までの6年間、本学同窓会の会長でした。お引受けしたのは、私の根っこを育てた東女が好きなのと、クリスチャンとしての招命を感じたからです。

会長故に、国内外の支部長、歴代の役員を始め多くの同窓生、大学関係者、その他大勢の方々と出会う機会が与えられ、喜びと共に責任を感じました。任期中①社会的信用度の高い一般社団法人にする、②中年層・働いている世代の交流の機会を増やす、③大学創立100周年に1億円の寄付をする、ことができました。役員・職員・同窓生皆様のご協力の賜物です。

某女子大学付属高校で学びましたが、環境を変えたくて、受験しました。東女は第2希望でしたが、最高の大学となりました。

1年次に創設された「総合『女性』」を受講し、熱意溢れる先生方の多角的な講義と演習に、これぞリベラル・アーツ教育、と興奮しました。
「筑豊の子どもを守る会」(12のキリスト教系大学学生による閉山炭鉱住宅での夏休み2週間の子ども会活動)に1、2年次参加。社会的な活動とクリスチャンの生き方に刺激を受け2年次に受洗しました。
ゼミが多人数なこともあり、助手の方の支えを得、自主的な読書会で丸山眞男やM.ウェーバーを読み、自由な学びの楽しさを味わいました。

本学卒業後、他大学の修士課程で障害児教育を学び、公務員として障害者の職業・生活相談支援を32年間、新設短大の教員として介護福祉士養成を11年間しました。
就職時、障害者・介護分野は共に創生期で、研究・開発・実践を楽しくしました。力ある女性先輩・同僚が多く、女性が働き続けることが自然でした。でも、組織改正や昇格に伴う人間関係と自分の力の無さに悩むことも多々ありました。
3人の子育て中に保育園のママ友と、0歳児保育所と学童保育クラブを作りました。

大学で学び役立っていることは、「問いを立てる」「行動する」です。
現在は、①地元の障害者関係や生活困窮者・ホームレス支援のボランティア、②韓国語の勉強(所属教会が韓国の教会と姉妹関係)、③本学丸山眞男比較思想研究センターの公開授業を受講しながら、50余年前の卒論「明治の反戦思想」の続きをする、など学生に戻った気分です。

現役学生へのみなさんへ
私が高校3年で交換留学生として米国で1年間生活した時に、自分の意見がなく黙っていたみじめな体験をしないように、自分の意見を持ち、発言し、実践する『挑戦する知性』になってください。

東京女子大学次の100年に向けては、①今回の学部改組が花開き、良い実がなること、②母校の開学は北米教会の支援によっている。今度は私たちがアジアの女性たちの教育に貢献すること、③新渡戸初代学長の「いと小さきものを大切に」の考えに添い、多様な人、特に弱い人との共生社会を目指す教育をすること、などを期待しています。